エジプト〜カイロ編 10【カイロでのコンサート 1】

カイロには今まで数回訪問していて、その都度ボランティアのコンサートは行っていましたが、一昨年11月、エジプト国際フェスティバル、ベルギー大使館、日本大使館、EUの文化交流委員会などの主催、後援の形でヴァイオリンとギターの本格的なデュオコンサートを開く事が出来ました。

ギタリストはもう20年以上一緒に共演を続けていて、来日したこともあるイーヴ・ストルムスさんです。

日本がオーガナイズや段取りに関して世界一滑らかに時間通りに行く国だとしたら、ヨーロッパのレベルはその3/1、このエジプトでは半分以下、となるでしょう。

このコンサートの日程その他が決まるまでのエジプトの主催者側とのやり取りときたら、正に〈暖簾に腕押し〉時間の概念が日本人には理解し難いし、物事を決定するまでにつかみどころのない泥沼をえっちらおっちら歩いているような気にさせられるのです。


漸く日時、プログラムが決定して、さあ今度は会場におけるリハーサル時間の確保が…。

こちらも腹を括って、臨機応変、なるようになるさ~イスラム教徒の口癖である、〈インシャッアラー、アラーの思し召しのままに〉の在りようが少しづつ理解できた気がしました。


日本ではコンサートを開くとなると、会場押さえは一年前か少なくとも半年前に終わり宣伝も数か月かけて行いますが、こちらではせいぜい2週間前から(誰も余り先の事までは考えられない)、それでもその当日に配布するプログラムなどは、あっという間に印刷が終わっており、観客の動員にも問題がない、驚くべき行動力を持っています。


何だかんだ言いつつ、コンサート当日の午前中に会場でのリハーサルが出来る事になりました!

ギターとのデュオコンサートの時に配慮しないといけないのは、会場が広い場合ギターにマイクを付けて音のボリュームを調整する必要があること、なのです。

元々ヴァイオリンの方が音量があるので、バランスが悪いとギターの繊細な音をかき消してしまうのです。

ところが会場によってこのアンプの機械が違うし、又曲によっても微妙な音量操作も必要なので、コンサート中この機械の傍に付いてくれる技師をお願いする事になるのです。


もうお判りでしょう、日時を決めるだけでも大変な労苦があったのに、今度はこの技師の必要性を理解して頂いて、リハーサルにも付き合ってもらう、その段取りで又ひと騒動でした。。。

私とイーヴの共通の友人でベルギー大使館の一等書記官を務めるP氏が音楽に非常に詳しく、私達のバランスを聴いて、アンプ担当の技師に各曲のボリュームのレベルを伝え、技師も納得して無事にリハーサルは終わりました。 

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